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麻布タカノのこだわり

麻布タカノ 社長インタビュー

麻布タカノとオーガニック

麻布タカノ株式会社 代表取締役 鷹野孝雄


初めて有機認証マークの付いた紅茶の存在を知ったのは1980年後半と記憶しています。
取引業者のスリランカ人の営業の方がスタッセンブランドのスリランカ産の有機栽培ウバ紅茶を持ってきたのがきっかけでした。はじめて商品を見た時は『やたらと何かのマークが付いた紅茶だな』という印象でした。そしてその時初めて、その“やたら”のマークが実は欧米では価値のあるグローバルな有機認証マークだと知りました。

正直なところ、当時は“有機栽培”だの“オーガニック”に特別な思いは持っていませんでした。しかし、欧米では有機に対する認識は高まっており、IFOAM(世界有機農業運動連盟)や国際的な有機認証機関の認証マークを付けるには相当な時間と労力が必要であるという丁寧な説明を聞き、“オーガニック”の特殊性や通常の紅茶との違いを理解するようになると考えは一変しました。

それだけ価値のあるものなら日本でもっと広めてみようと、高級スーパーや生協で販売を始めたのですが、特定のオーガニックファンが付いてはくれたものの、25パックで700円という値段では消費者の反応はいまひとつでした。

そのような時代を経て十数年後、日本でもようやく2001年に有機JAS法が制定され、同年、私たちも満を持してその有機JASマーク付きのウバ有機栽培紅茶を弊社オリジナル(販売者)で発売。すると、少しずつですが手ごたえを感じるようになりました。


もっと多くのお客様にオーガニックを楽しんで頂きたいという思い


ある日、重度のアレルギーをお持ちの方からの手紙を頂きました。その内容は“他の紅茶を飲むとアレルギーが出るのだが、弊社のウバ有機紅茶を飲んでもそのような反応はなく、美味しくいただく事が出来る”というお礼の手紙でした。お客さまからの気持ちのこもった感謝の手紙には本当に嬉しかったのを覚えています。そしてもっと多くの人にこの紅茶を飲んで頂きたいと思う気持ちが高まりました。

また、2010年3月、スタッセン社所有の2012年で25年になるという世界最古のウバ地方イダルガスへナ有機農園を視察した際、想像以上にきりがない細かい作業を日々繰り返しているのを目の当たりにし、さらにその思いは強まりました。

例えば有機肥料は牛糞の堆肥を使用しているのですが、その餌も当然有機肥料で育てられており、その堆肥置き場には整然と湯気の出ている堆肥が敷き詰められ、定時になると上下をひっくり返し発酵度合いを均一な状態に保たれています。また、土に適当な空気の通り道を作るためにミミズを飼育しているのですが、そのミミズは整然としたコンクリートの部屋の中で育てられていたり。そのようなに時間と愛情を込めて作られた紅茶が『手間ひまがかかっている分だけ高い』というイメージで有機紅茶が浸透していない事に対し、販売する側として何かしら工夫をしなければならないと思いました。

そして昨秋、スリランカのスタッセン社から良い知らせがありました。
有機紅茶の価格を無駄な包装を一切省き、大容量にすることで大幅なお買い得価格、40パックで600円にして頂いたのです。これは弊社にとっては革命的な価格であり、コツコツと長年販売してきた弊社へのビッグなプレゼントである思うと同時に、有機紅茶ファンに一刻も早く伝えたい!そんな感動的な気持ちでいっぱいでした。

2012年トレードショーでは“オーガニック元年”を標榜に挙げ、15年ぶりの大リニューアルを敢行。もっと多くのお客様に麻布紅茶のオーガニック紅茶を楽しんで頂きたいと気持ちを新たに致しました。日本初の“有機ウバグリーンティー”を含め、弊社でのオリジナル有機コーヒー&紅茶(有機JASマーク付き)は全部で12アイテムとなりました。

まだまだオーガニック市場は未成熟ではあり、厳しい状況ではありますが、今後は高齢化社会、健康志向、発酵食品というキーワードの中で期待の持てる分野だと確信しております。

これからも発売した当初の気持ちを忘れずに弊社の標榜としている、DIRS(ダース)<デリシャス、アイデンティティー、リーズナブル、セーフティー>な提案の一翼を担っていくつもりです。